2018年08月24日

第17回日記感想・1




Pno053:六華さん

Pno061:クーリエさん

Pno068:クロニカさん

Pno077:リーヴィアさん

Pno084:アンテルテさん

Pno138:キノイさん

Pno140:<<ネーレイス>>さん

Pno178:ネリーさん


六華さん Pno:053

フィーナ「探索の合間。買い物をしていた様子の六華さん。思わず買いすぎたって感じみたいだから、楽しめたんじゃないかな」

フィオ「ここ数日なんか色々あって、お疲れみたいだったからね、気分転換に……」

“「……え?何……これ」

 買ってきたものをを仕分けている内に、自分が買いそうもないデザインの服や下着が出てきて六華はその手が止まる。

「何……これ?私はこんなの買わない……よね?」

 普段かわいい系の物は買うが、大人っぽいデザインの物は自分が似合わないという認識もあったために殆ど手をつけなかったはずなのに、なぜかそこにあった。

「なんだろう……これ……?」

 六華はなんでそれがあるのか考えるが、答えはどうしてもでなかった。”




フィーナ「え……っと?」

フィオ「なんか突然に嫌な雰囲気なんですけど……」

フィーナ「買った記憶がないのにもかかわらず、購入品に紛れていた商品。
買っている最中に違和感がなかったってことが、そのときに何かあったのじゃないかって心配になるね」


フィオ「部屋に来たすみれさんにはからかわれちゃったけど……
最近の様子を知っている身からするとかなり不安」


フィーナ「無意識に……選んで買っちゃったってことはないこともないかもしれないんだけど。
もし『買ってない』って事があったりしたら大変だよね。たぶん何らかの力が働いて、買ってしまったってことなんだろうけれど……」



クーリエさん Pno:061

フィオ「順調に進んでいる最中に、ちょっとしたミスで付与先を間違えちゃったみたい。好事魔多し……とはいうけれど」

フィーナ「この段階だと、まだ自由に付け直したり出来る状態じゃなかったんだっけ
やっちゃったことはしかたないから、あまり気に病まないといいんだけど」


フィオ「そんなところにチャコさんから助け舟。やっぱり仲間同士助け合っていかないとね、ありがたやー」

フィーナ「購入枠か、付与枠が増えるやつかな? わりと高価だった気がするけれどこれがあれば、立て直しも早く出来るよね」

フィオ「一緒に冒険してる以上は持ちつ持たれつらだからねー。クーリエさんだけが一方的に助けてもらってるわけじゃなくて、きっと二人にも返せているよ。
パッと思いつくようなものじゃないのかもしれないけど」



クロニカさん Pno:068

クロニカさんを連れ戻す命を受け、現れた『ニールネイルの狩人』エイニさん。
クロニカさんは一度は虚を衝いて逃走できたものの、それで終わったわけではなかった。
その一方で能力どおりに仕事を完遂できていないエイニさんにも、何らかの事情があるようで……



“エイニ・N・ニールネイルは狩人だった。
 ヒトを――同族を狩る者としての役目を幼い頃から言いつけられ、そのように励み、正しく育った狩人だ。
 獣の血を濃く引いて鋭敏な感覚も、僅かに顕出したバジリスクの魔眼も、戦う者としては大いに役立ち、エイニを優秀な狩人たらしめた。

 だから。故に。
 一人の標的にあまり手を拱いているのを、いい加減不審がられても仕方ない頃合いではあった。”



フィーナ「生粋の、優秀な狩人。それが仕事を完遂できていないとすると、何かを疑われることもあるだろうし、場合によれば増援があるかもしれないのかな」

フィオ「まぁ『何か』はあるんだろうね。今回は一人、わざわざ交渉しにディドさんのところへ来たわけだし」

フィーナ「本当はする必要が無い交渉。力ずくで終わらせてしまえばそうできるだけの力はあるし、合理的でもある、だけれど実際に行動に移したのはこういう形で」

フィオ「お互いに口数が少ないようなところがあるよね。てことで淡々と必要なことだけを伝える交渉。というよりは命令に近い。
『「……金は出す。アレを俺に寄越せ」
』だからね。対価を示しているだけ交渉っていってもいいのかな……」

フィーナ「『契約』というのなら、ビジネス上の関係だけだというのなら、それを絶ってしまえば後は問題がないはず、なんだけれど」

“ 初めてそいつはエイニに正面から向き直った。
 返答を待つエイニが見守る前で、腰の後ろからナイフを引き出す。
 石で作られた黒いナイフだった。益体もないことをぼんやりと観察していたのは、

「なら、選べ」
「? ――!」

 向けられた殺意が、あまりにも想定の外にあったものだったからだ。
 伸び上がるように突き出されたナイフはエイニの首筋を掠めた。すんでのところで斬撃を躱して、エイニは数歩距離を取る。
 嘘だろ。面倒なことになった。なんで。意味が分からない。そのどれもが本音で、或いは正しくなかった。

「口を噤んで帰るか、海に浮かぶかだ」

 ただ、やり方を間違えたらしいことだけは、今のエイニにも正しく悟れた。”



フィオ「想定外の返答に混乱に陥るエイニさん、あーいや、まぁ、ねぇ」

フィーナ「地雷踏んだね」

フィオ「いやこれは踏み抜いた。だよ」

フィーナ「一応帰る選択肢は与えているからね……とはいえ一撃目からヤル気まんまんだったけど」

フィオ「最初こそ面食らった様子のエイニさんだったけど、やっぱり荒事に離れているみたいだし、ディドさんを観察しつつ、きっちり捌く余裕もある」

フィーナ「投げかける言葉も、あくまでこちらが上で、譲歩しているという体。それに怒ったわけでもないだろうけれど、ディドさんの殺意は一向にやむ気配なし」

フィオ「ただ……差はあるみたいだね。そういう風に育ったのとそうじゃないものの違い。苛立ちの中で選んだ選択肢は、譲歩を引き出すぐらいに痛めつけるというもので」

フィーナ「……よくないな。やるときはやる、間違いなく」

フィオ「だけれど、魔眼で動きを止めたところにやってきた足音は、その全てを中断させる。ディドさんを海に突き落として、逃げ出すエイニさん。機会は逸した。
エイニさんの事情がちょっと判った気がする」




“『エイニはどうするんだ?』
『俺は家主と話をつけなきゃなんねえんだよ。だから一緒には行けない』
『……それは俺がいたらまずいのか? そんなに時間はかからないだろう』
『…………。面倒なんだよ』
『いや、ていうか一緒に行けない理由になってないし……』

 納得の行かぬ表情は嘘を見破られていたからか。心の動きを悟られていると、そう感じることはあったが、明確に口に出すことをあいつはしなかった。
 ただエイニを見上げて不満げだった。

『……分かった。後で追いかけるから、先に行け。だからそれ、絶対失くすなよ』

 そう言ってやっと追い出したクロニカをエイニは追わなかった。
 だから仕方のないことだった。
 何もかも、全てが最早、仕方のないことだった。

『――それ、なんの本だ?』

 ――海は嫌いだ。海は嫌いだ。海は嫌いだ。
 今よりもっと、どこまでも、海が嫌いになりそうだった。”



フィーナ「たぶん、いつかの記憶。クロニカさんはもう覚えていない。
大事なことも忘れてしまう、でも忘れられた人も、また忘れているとは限らない」



フィオ「一方ディドさんと合流したクロニカさん。エイニさんのことを尋ねられるけれど明確に答えられないのは。そもそも覚えてすらいないからで」

フィーナ「上手く覚えられないということに関して何か引っかかっているみたいだけれど、優先的に忘れさせられるような何かがあったりするのかな?」

フィオ「すこしちぐはぐな会話。ディドさんから出てきたのは剣呑な言葉。まぁそのつもりで襲い掛かってはいたけれど」

フィーナ「『協力しろ』というディドさん。ただ『それ』をすることは流石にためらわれることで」

フィオ「でも会話はここで終わり、さてどうする……?」


フィーナ「まとめ。エイニさん再び。ただし今度はディドさんのほうへ」

フィオ「クロニカさんがちょろっと言った言葉をたどってきたみたいだね、仕事をするつもりではあるみたいだけれど、目的を果たせばいいようなものなのに、ちょっと回りくどい」

フィーナ「単刀直入に言ったけれど、ダメ。クロニカさんの意思が伴っていればまた別だったのかもとはおもうけど」

フィオ「いきなり戦闘に入っちゃったけど、一方的にディドさんが仕掛けて、エイニさんが捌く。
実力の差はわりとあったけど、とまらないディドさんにエイニさんはとりあえず腕を折ろうとしたね」


フィーナ「……危ないところだった。おそらくクロニカさんとの関係がなければ、浚うなり、殺して連れて行くなりそういうのも選択肢にあったはず。その上で『折る』ってのは譲歩の結果なんだろうけれど、決して軽い怪我じゃないからね」

フィオ「クロニカさんが現れたことで逃げ出すエイニさん。二日前の邂逅。そのずっと前に二人はお互いを知っていたみたいだね。クロニカさんは忘れちゃったみたいだけど」

フィーナ「一瞬『――それ、何の本だ?』で10日に出て来た青年がエイニさんなのかと勘違いしちゃった。この本ってあの日記とかなのかな」

フィオ「まだわからない。エイニさんは過去にクロニカさんを追わなかったこと、後悔しているみたいだった。言葉にはしないものの」


フィーナ「ディドさんは突き落とされただけで特に問題はない模様、でもめちゃくちゃ怒ってる」

フィオ「完全に敵対する形になっちゃったね。敵対ならまだ良かったのかな、ここまで殺す気マンマンだと」

フィーナ「クロニカさんはどうするのか、やっぱりここは自分の意見を言うべき、それで選ぶべき、なんじゃないのかな」


リーヴィアさん Pno:077

フィオ「気合と同時に海へと飛び込んでいくリーヴィアさん。投身自殺とかいう物騒なワードもあるけれど、飛び込みです飛び込み」

フィーナ「アトランドでの探索みたいだね、スキルストーンの力で潜水時間も増やして……」

フィオ「アトランドの海は比較すると暗い印象があるよね、その、普通……普通? の海底と違って」

フィーナ「まぁ言いたいことはわかる。そんな暗い海底を、僅かな光を頼りに探索しているけれど、どうやらお宝を探しているみたい。
大きな貝殻には『何か』が入っていそうだったけれど、残念ながら空っぽ。空気が閉じ込められているから本当の意味では空っぽじゃないけど」


フィオ「酸素を補給できるのはありがたいよね。そんな中すこし進むと光の漏れ出す建物が!」

フィーナ「ここにも巨大貝殻。今度こそ……と開いたら錆びた剣が」

フィオ「……あれ、たしか、危ないっ!」

フィーナ「ペンギンさんが引っ張ってくれたおかげで助かった。いやらしい魔物だね、セルリアンにも擬態して捕食する奴は居たけれど……」

フィオ「とはいえまだまだ終わってないよ!」

フィーナ「さらに現れた魔物が二匹、合計三匹。でも引いているうちに、こっちにも増援が到着!」

フィオ「さぁ、ペイバックタイムだ!」


アンテルテさん Pno:084

フィーナ「ふと、抜け落ちた記録に気づくアンテルテさん、前後を確認してみると、どうやら海賊とひと悶着あって、抜け落ちちゃったみたい」

フィオ「あーあいつかー。いろんな人のところに現れて暇人だね」

フィーナ「しかも勘違いで巻き込まれた様子。協会さん? しっかりして?」

フィオ「ポット君、海賊に入りたそうな発言」

フィーナ「冗談だよね、冗談だといって」

フィオ「それと、紛れ込んだ謎の記述……エビ? シュリンプ?」


“-再起動してしばらく、ワタシはボディの点検をしていた。
 首の接続の具合が悪く揺られる度、
 液晶が点滅して落ち着かなかったからだ。”



フィーナ「本来丈夫なはずの身体だけれど、何か問題が生じているみたいで、どうやら原因はその身体の弱点にある様子」

フィオ「『首の接続部』……か。攻撃の種類も相性が悪いものだったみたいだけれど、明確な弱点があるとやっぱり怖いな」

フィーナ「とはいえ幾つかの事情を考慮した上でのシステムだからね、弱点も込みで使っていくしかないよね」

フィオ「ちゃちゃっと修理できそうなのが凄いところ。完璧に換わりになる部品はないだろうから、『あるもので』なんだろうけれど、それなりにいいものはほしいね」


キノイさん Pno:138

フィーナ「取引で手に入れた物品を。仲間のもとへと運ぶキノイさん、問題はこれがキノイさん→ドリスさんへの受け渡しだということ」

フィオ「いやいやいや、そんな毎回トラブルを起こすわけがなかろう」

“「アナタって、ワケの分からないところあるわよね」
「ハア?」

感慨深いというには情緒が足りない。皮肉と言うには毒が足りない。そんな言葉。

「もうちょっと、人を選ぶタイプかと思っていたけれど。そんなこともないんだもの」
「何のことっすか」

早く帰らせやがれクソッタレ俺には焼きナマコの消化が待っているんじゃ、という態度をまるで崩さないまま、かといって何を意図してその発言がなされたのか気になってしょうがないので無視して出ていくわけにも行かず、キノイは中途半端な格好で返事をする羽目になった。
相変わらずのこの、魚を魚として見ていないようなクソみたいな面、いつか助走をつけて全力でぶん殴りたい。三回くらい。”



フィーナ「知らなかったのか? トラブルからは逃げられない」

フィオ「焼きナマコが待ってるんだよぉ! とそれはともかく、ドリスさんの疑問は『海賊と取引をした』ことについて」

フィーナ「『罪人も海賊も同じようなものじゃないか』というドリスさん。うんその気持ちはわかる、それに対して『自分達に火の粉がかかっていないから別にいいじゃないか』というキノイさん」

フィオ「スタンスとしてはわかりやすい。ドリスさんがいう『騎士団のくせして』とか『罪人の金で』とか。そういうのとはまた別の軸だからね」

フィーナ「ただ普段のキノイさんを見てると『人を選ぶタイプ』と見ていてもおかしくないよね、自分に対する態度のそれとか」

フィオ「口にナマコ突っ込むぞとかいうパワーワード」

フィーナ「すこし齟齬が生じていたみたいだけれど。それに気づいたのがちょっと遅かった。ただ……これは何らかの変化があるかもね」

“――気づく。気づかなくても良かったのかもしれないが、気づいてしまった以上はもうどうしようもない。なんだかんだで二週間嫌でも一緒にいた結果、声色の変化を判別できるようになっていた自分がいるのだ。
このクソネーレーイス、本当に純粋(かどうかはこの際置いといて)に疑問に思っていただけらしい!

「それ、本人の前で言ったらどうですかね?」

価値観の違いが横たわっている。それはまあ、同じ世界の出とはいえ、種族も育ちもまるで違うのだし、当たり前のことだ。悔しいかなその違いが引っかかるようになると、嫌悪とか何やらはすっ飛ばして、興味のほうが先行する。――思えば(当たり前だけど)ここまで、まるでこのネーレーイスのことを知らずにここまで来ている。
とはいえ癪なことに変わりはないし、ひとつの気づき程度で態度を軟化させてやるほど優しくもなかった。可能な限り嫌味ったらしく言葉を吐き出して、部屋のドアを閉めた。”



フィオ「『罪人』としてしか見てこなかった、そりゃ最悪のファーストコンタクトだっただろうし。
でももしかしたら分かり合う部分も現れてきたりするのかな」


<<ネーレイス>>さん Pno:140

“いきとしいけるものであれば、欲というものが存在する。

 助けたい、眠りたい、楽しみたい、かなえたい、従いたい、EtcEtcEtc……
 突き詰めれば、《いきたい》という原初欲求それひとつですら、存在を動かす原動力。
 そしてひとつ行動を起こせば、静寂の水面に石が投げ込まれるよう、影響し変化し波が立つ。


 なにひとつ動くこともなく、なにひとつも望むこともなく《いきて》いる。
 その状態は、しんでいるのとどうかわるのか。
 その状態は、《いきたい》という欲すらも、否定しているというのに。


 石が投げ込まれれば、波紋が立つ。
 その“石”がいかようなものであったとしても、静寂の水面はざわめき荒れる。

 その荒れ方が望む望まざるとに関わらず、“静寂”の時間は終わるもの。”



フィーナ「『生きて』いるんだから誰も彼もが石になりえる。
いつもならばそうやって乱す側であるんだけれど、今回は……」


フィオ「ウミホタルさんの性質とそれを押さえ込んで御する本能。
自分達が弱い存在であるからこそその本能は磨かれて、危険から身をかわしていたのだけれど」


フィーナ「それでもそれを超えてやってくる危機もある。捕食者が捕食されないという保障は何処にもないし、今回の危機はもうそれを交わすという段階にはなかったみたい」

“距離、数、速度、状況。
 捕まらぬよう、離脱を試みるにはもう遅い。
 そもそも相手の領域(テリトリー)、離脱を考える方が愚かしい。

 来るとわかってる狩人に対し、離脱なぞに思考を裂くなら
 ハナから群がり無力化させて、餐とし腹に収めるほうが理にかなう。


 アスチュート級潜水艦《ネーレイス》、この艦を操る《乗組員》はウミホタル。
 このいきものは貪欲で、自らに比べてはるかに大きな天敵にすらも襲い掛かる


 とてもとても、好戦的ないきものだ。”



フィオ「だからこそ性質に身を任せ、戦端は開かれる。捕食者と捕食者、石の作る波紋はどんな形を描くのか……それは奪い合いの後にわかること」


ネリーさん Pno:178

テリメインでの暴走からまだ入院中のネリーさん。前回は一人ひみつの狩りに出て、血に濡れた獲物に我を失い、獲物を貪る姿をさらしてしまう。そして――




ネリー
「ねえ、おとーさん」
過去のネリー・イクタは、父親と向き合っていた。

ネリーの父親
「……なんだい、ネリー」
父は応える。娘を確かに見据え、しかし緊張させることのない目つきをして。

ネリー
「……わたしは、マモノの子、なの?」


ネリーの父親
「……。」



フィーナ「問いかけるネリーさん。でもその前に『あの狩りの後』」

フィオ「食事……というか捕食か、それで少しずつ落ち着いたみたいだけれど」

フィーナ「街へと戻ろうとするネリーさんへ近づいてきていた魔物。彼らの目的は『食べ残し』にあったわけだけれど」

フィオ「それは今だけ、食べきってしまえば血の匂いが残ったネリーさんを追いかけてくるだろうし、結果的に街にまで魔物を招くことになっちゃう」

フィーナ「銛を落としてなければ、まだ勝機はあったのかもしれない、それでも立ち向かっていったのだけれど……」

“ネリー
「……こっちに、こないでえええぇっ!!」
ネリーは後方へ取って返し、徒手空拳で魔物たちに挑みかかった。

ゲンコツとしっぽを振るい、噛みつきかかる。

魔物
「!!!」
敵の動きは未熟なネリーよりも速く、巧みだった。
魔物の群れは食事を中断し、あたりに散らばったかと思うと、すぐに反転して四方八方からネリーに突っ込んでいった。

ネリー
「ぎや゛っ……! い゛あぁああっ!!」
体当たりをされ、そのまま何匹かに牙を突き立てられる。
かろうじて急所は避けていたが、痛みは激しい。

ネリーは、生きたまま喰われようとしていた。

ネリー
「やだあ゛ぁぁっ! やぁあああっ!! だれかあっ! たすけてええっ!!」
叫びながら、必死に暴れる。噛みつかれたまま逃げ続ける。
めちゃくちゃに振るった尻尾は魔物の一匹を弾き飛ばすが、そんなものももはや何にもならない。

ネリー
「たすけて! たすけてよっ! たすけて……」

ネリー
「おとー、さん……っ……!」



フィオ「……狩りと戦いは本質からして違うもの。経験の不利、数の不利、まだそれらを覆せるほどネリーさんは強くない」

フィーナ「責任を感じていた。茫然自失としていた。色んな要因はあっただろうけれど、無謀な戦いになってしまったね。ネリーさんがいないことに気がついて、近くまで来ていたのだろうけれど、お父さんが来るまで持たない可能性も十分にあった」

フィオ「結果的に間に合ったから良かったけどね、さて……」

フィーナ「病院のような場所にて治療を受けているあいだ、両親も一つの決意を迫られていて。冒頭のお話に戻るわけだけど、ネリーさんの生まれについて。
ただどうやらお父さんも同じようなことがあったみたい?」


フィオ「そして二人向き合うネリーさんとお父さん。狩りに出て自分の身に起きたことを弱弱しく告げていくネリーさん。感情が溢れ出して涙に代わり、お父さんは告げていなかった事実を告げることに。それは祖父母とお父さんの話」


ネリーの父
「……おじいちゃんとおばあちゃんは、マールレーナから北の方の海にある街に住んでいたんだ。
おじいちゃんは、父さんのように狩りをしていた。
おばあちゃんは腕のいい魔法使いで、人の病気やケガを治してあげていた……」


ネリーの父
「おじいちゃんは若いころ、結構なあばれものだったらしい。
他の狩人だったら相手にしないようなデカい獲物に挑んで、やられちまっては、おばあちゃんの世話になっていたんだそうだ。
おばあちゃんは、そんなおじいちゃんを放っておけなかったんだろう。
二人は、気がつけばいつでも一緒にいるようになっていて……それなら、一緒に暮らそうってなって、結婚したんだ。
たくさんの人たちがお祝いしてくれたらしい。とってもお似合いの二人だ、って……」


ネリーの父
「……だけど、それからしばらく経ったある日のことだった。
邪神の教団……知ってるだろ。あれ、父さんが産まれる前からあったんだよ。
教団のやつらが、街を乗っ取ろうとしてきたんだ。おじいちゃんが強かったから、追い返すのは簡単だったらしい。
だけど、やつらはおじいちゃんに直接勝つつもりはなかった。
代わりに、おばあちゃんに、呪いを撃ち込んで逃げていったんだ。おばあちゃんの力でも、どうしようもないくらい強い呪いを……」


ネリーの父
「……呪いのせいでおばあちゃんは、デカくて恐ろしい魚の魔物に変わっちまった。
もっと腕のいい魔法使いなら助けられたのかもしれないけれど……呼びに行く暇なんてありゃしない。
このままじゃ、街は全滅。殺してしまうほかなかったんだ。
おじいちゃんは自分で、バケモノになったおばあちゃんを、殺さなきゃならなかった……」


ネリーの父
「おじいちゃんは、おばあちゃんにトドメを刺して……もう、何もできなくなっちまった。
だけど、その時、おばあちゃんのお腹の中で、何か動いてるのに気づいたんだ。

……それが、父さんだ。おばあちゃんのお腹の中には、もう父さんがいたんだ。
そして、おばあちゃんが死んでも生き続けていた……」


ネリーの父
「父さんは何とか生き延びて、おじいちゃんに育てられた。
だけど、町の人たちには父さんを気味悪がる人たちもいた。
元が水棲人とはいえ、魔物の腹のなかにいた子供なんて、どうなるかわかったもんじゃないって……

……そして、その人たちの考えが、ある意味では正しかったってことが……ある日、わかっちまったんだ」


ネリーの父
「父さんは……そこらの悪ガキどもにもいじめられてた。
いつもだったら、取り囲まれてからかわれたり、のけものにされるくらいだったんだが……
その日はちょっとやつらの機嫌がよくなかったらしくてな。体つきのいいやつの前に引きずり出されて、殴られたり蹴られたりした。

思い切りぶたれて、口の中が血まみれになったとき、父さんは、何がなんだかわからなくなった。

気がついたら、父さんは牢屋のなかにいて……縄で縛りあげられて、口をふさがれてた。
周り見たら、狩人に取り囲まれてて、その向こうから大人たちが怖い顔して見つめてた。

父さんは、殴ってきたやつを、危うく殺しかけたんだそうだ……」


ネリーの父
「父さんはそのまま、牢屋にひとりで残された。
この後、どうなるんだろうって、考えた。
処刑でもされるのか……あるいは、飢え死にするまで閉じ込められるのか。

父さんは、口をふさいでたものも、縄も、檻も、なにもかも食いちぎって、逃げた。
そういうことができるだけの力があったんだって……その時、初めてわかった。

家に帰ったら、おじいちゃんは寝ていた。
手紙を残して、どうしても大事なものだけ持っていって、父さんは街を出ていった。
……それから、おじいちゃんがどうなったのかは、今でもわからない」


ネリーの父
「それから父さんはずっと、一人であてもなく、世界中の海を旅した。

魔物みたいになるのは嫌だったから、自分で道具を作って狩りをした。
それでもなかなか獲れなくて、飢え死にしそうになってくると、どうにもならなくなって……気がついたら何か食い殺してたってことがある。
それでも……ニンゲンだけは絶対に襲わないようにって、十分気をつけてた。

そんな風に暮らしてるうちに、少しずつだけど、魔物の心をうまく操れるときがあるようになってきたんだ。
生きていく術も学んだし、教えてくれる人もいた……父さんに親切にしてくれる人たちが、町の外にはいたんだよ。
事情を知ってもそのままでいてくれたかどうかは、人によってちがったけれどね」


ネリーの父
「そうして旅を続けていると、ある時父さんは、巨大な怪物がマールレーナの街を襲っているって話を聞いた。
……そう。あの……デカいヤドカリのバケモノ。父さんたちの家になってるあの貝殻の、元の持ち主だ。
父さんはすぐにマールレーナに向かって、バケモノを斃したけれど……無傷とはいかなくてね。
ひどい傷を負わされてしまった父さんの手当てをしてくれたのが、その頃病院で働いていた母さんだったんだ」


ネリーの父
「母さんの腕は確かで、父さんの傷は速くよくなっていった。
……おじいちゃんも、おばあちゃんによくこんな風にしてもらっていたのかなって、思った。

父さんは、母さんに事情を話した。
みんなは父さんを英雄だって言っているけれど、父さんは英雄になんてなれないし、ここにいることだってできない。だから傷が治ったらすぐ出ていく、って。
だけど、母さんは首を振って、それから言ったんだ。
あなたは立派に英雄をやりました。それに、そういうことだったんなら、なおさら放っておけないってね。

傷が治ってからは、父さんと母さんはあのバケモノの貝殻に住むことになった」


ネリーの父
「母さんは、父さんのことをありのまま受け入れてくれた。
おばあちゃんが、たぶん、おじいちゃんにそうしてくれたように。

……そんな母さんとだからこそ、一緒に生きていけると思ったのかもしれない。
そして、ネリー。お前を……おれの子どもを母さんに産んでもらって、育てていけるとも……」



フィーナ「お父さんの口から語られた。代を跨いだ物語。ようやくネリーさんがああなってしまう理由も、お父さんが色々慎重だった理由もわかったね」

フィオ「ろくでもない奴らが力を持つと、本当に嫌なことになるなぁ。おじいちゃんも悲劇の連続だったし、お父さんを分かれた後はせめて平穏に暮らせてればいいんだけど」

フィーナ「ネリーさんに性質が遺伝しちゃったのは、決していいことではないんだろうけれど、克服した人が傍に居るなら話はそこまで悪いものじゃない……なにより希望にはなる」

フィオ「苦難の多い道のりではあるだろうけれどね、お父さんの前に現れたお母さんのように、あぁ別に伴侶となる人って意味だけじゃなくて、一緒に歩いていける人がいれば、もっといいのかも」


フィーナ「話を聞いたネリーさんは、生まれた来たこと、一緒に暮らして居ることを喜ばしく思っていると。それに同じように修行してしっかり制御してやるんだと」

フィオ「強い決意だね……まぁだからこそ、テリメインで暴れちゃったとき、凄くあやまっていたんだろうけれど」

フィーナ「退院して洞穴に戻った二人、ネリーさんの寝顔を眺めつつ、静かな決意を固めるクリエさん」

フィオ「ネリーさんの暴走もあったけれど、探索はもちろん、謎の渦とか、問題はまだまだ解決していないからね、二人で協力して立ち向かっていけるのかな」

posted by エルグ at 16:11| Comment(0) | 日記

2018年08月13日

第16回日記感想・2




Pno1192:イリューザさん

Pno1213:弁天ちゃんさん

Pno1245:Z姫さん

Pno1340:モニカさん

Pno1457:こくりさん

Pno1473:アイリさん

Pno1488:ファルトさん

Pno1659:リンスさん

Pno1858:トリスさん

Pno1870:エンマさん



Pno1192:イリューザさん

冒険の『先輩』という立場から、同行者の安全を最大限に考慮した探索を選択しつづけてきたイリューザさん。
だけれどそれは先を行く人たちの後をなぞるということもあって、探索の楽しさでもある、新鮮な驚きからは程遠いものだった。
それでもようやく至った新海域『アトランド』その景色はこれまでの鬱屈を吹き飛ばすようなものだった



フィーナ「というわけで、アトランドに到着ぅ」

フィオ「ちょっとだけ後方から追うような形になっていたのは、もちろん考えがあってのことだったんだけど、やっぱり勘定にいれていても『退屈』は襲い掛かってきていて」

フィーナ「失敗かもなぁって思ってたみたいだからねぇ」

フィオ「だからこそアトランドの景色は大きな感動があったんだろうねぇ、良かったよかった」

フィーナ「絶対チラっと二人の表情も確認したよね」

フィオ「それで、アトランドなんだけど、テリメインと違って建物の形が残っていることが多いみたい。『協会の探索ライン』を超えたから当然ともいえるけれど」

フィーナ「保存状態がいいからこそ色んな推測が出来るよね」

フィオ「たとえばアトランドの成り立ちとか、もっと大きくテリメイン全体の過去と現在とかね、あくまで仮説ではあるけれど」

フィーナ「考えるだけでも面白い、ただ原生生物も強くなっているわけで、それらへの対策も怠っちゃいけない」

フィオ「アトランドに来たことで起きた変化……レッドバロンでも見られた『適応』」

フィーナ「ここに生きるからこそ、その地で有利な性質を得たわけで、そいつらに対応していかないといけない」

フィオ「まぁでもちゃんと強化を重ねてきたこともあって、ここまでは順調だった。ルート選択はもちろんのことだけど。
しっかり油断しないで行けば何とかなる……わけだけど」


フィーナ「新海域に胸が高鳴るのはイリューザさんだって同じこと。
さぁ探索。という切り替えも大事ではあるけれど、冒険を進めるんだからそういう好奇心とも仲良くしないとね」


フィオ「まとめ。アトランドに到着して冒険の楽しさに触れられそうな一行」

フィーナ「これまでは安全策をとってたからね。悪い話じゃないけど」

フィオ「世界の謎にもすこしずつ迫っていっているような感じもするし、いよいよ深度もあがりそうで本格的なスタート?」

フィーナ「慎重に進むというのは、これからも継続していくことなんだろうけれど、その中でも楽しめたらいいよね」


Pno1213:弁天ちゃんさん

フィオ「……映像? 知らない子ですね」

フィーナ「後から見てみた自分の報告。そしたら自分の姿が写ってねーじゃねーか! とのことで」

フィオ「あ、あのシンプルなのが本当の姿じゃなかったんだ……あ、いやワカッテタヨ」

フィーナ「自分では自分として見えているらしいけれど、それで気づくのが遅れちゃったね」

フィオ「てっきり昆布射出する戦闘方法なのかと」

フィーナ「ABSって名前付いてるから(戦闘方法)
その難民の数はわりと居そう」


フィオ「ファニーなポーズで、叫ぶ『エビ』……それは魔法の言葉……」


Pno1245:Z姫さん

宝石をぶち割った結果出現した謎の生物の助力でツ・カイさんとの再会を果たしたZ姫さん。すぐさまこの子の名前をどうしようかと尋ねるけれど



“「何の話だ?」

「『もろこし』と『からし』どっちがいいのかって話だゾ」

「どっちって。何がだ……」

「ツ・カイは『もろこし』派かー。じゃあ、『もろこし』にしようかナ」

「いやいやいや」

「『もろこし』そのままだと、あんまりかわいくないから……」

「まてまてまて」

「……もろこし〜……もろし〜……もっし〜……うん、『もっし〜』がいいナ!!」



フィーナ「ハナシヲキイテ」

フィオ「ツ・カイさん。もろこしの『も』の字も出してない……」

フィーナ「よろしくねもっし〜!!!!(ヤケクソ」

フィオ「説明を要求するツ・カイさん。彼にはもちろんその権利があります」


フィーナ「説明してもらったけれど、なんか抜け落ちてる。そういえばあの時、どこか変な様子だったね」

フィオ「絡まれて結果的にボコボコにしたけど……記憶が無いなら仕方ないな!」

フィーナ「その後は宝石を割って……」

フィオ「……記憶が無いなら仕方ないな!」

フィーナ「こっちは覚えてるんだよなぁ……。
そのあとは派手に濡れ衣を着せてた」


フィオ「あっちの件は不可抗力でしょ。店主さんが誤認したのもあるし」

フィーナ「で、向こうからやってくる……君達は、誰だっけ?」

フィオ「お店の人ならバレるのが早すぎるし……顔だって割れてない。もっし〜さんが『捕まえられた』格好だとするのなら別だけど」

フィーナ「ってことはボコった彼らだろう」

フィオ「ツ・カイさん眠れる読唇術の才を発現する」

フィーナ「いや、私でも読めるわー余裕だわー。
……さっさと逃げようぜ!」


フィオ「まとめ、再会した二人、早速頭のいたいツ・カイさん」

フィーナ「もっし〜の命名。マイペースを貫かれてどうしても辛いツ・カイさん」

フィオ「そしてやってくる追撃者、お話を聞いたことから予測はつくよね! ツ・カイさん」

フィーナ「……強く生きて」


Pno1340:モニカさん

フィオ「難敵を退け、すこし深部に潜ったモニカさん達。だけれど、その難敵のさらに上位バージョンみたいな相手に負けてしまって……」

フィーナ「深さを増したことを悔いているけれど、実際難しい相手に勝てたのなら、段階を上げるのは悪い選択じゃないと思うんだよね。もちろん、相手がだれれであれ突破できる力がないと、そこで安定して進むって事はできないから、見極めが大事なんだけど」


フィオ「あといつもと違うこと、1.海賊との取引」

フィーナ「後ろめたい感情はあるみたいだね、海賊に対するスタンスは人それぞれだけど」

フィオ「公的な場で取引したってのは大きいかもねぇ、協会にも知られないように、だと後々問題になりそうだし」

フィーナ「次。ミニバカラ当選!」

フィオ「どんどんぱふぱふー」

フィーナ「EXPも大事だけどSCをこうやって補充できたことで敗北のダメージを減らせたのはイイネ」

フィオ「倍プッシュだ……」

フィーナ「最後……怪奇! 謎のボトルシップメッセージ!」

フィオ「一体誰なんだ……マジョコワイ」


Pno1457:こくりさん

レッドバロンを行くカジノ船。探索の拠点として利用する人々も多く、こくりさん一行もそういう目的で乗り込んでいた



フィーナ「ついでにレッドバロンの調査も請け負っているみたいだね、協会からの依頼みたいだけど」

フィオ「探索と同時に出来るから効率的だね」

フィーナ「レッドバロンの海中はやっぱり地獄といえるような有様。膜を使って防御していても、やっぱりその熱さを感じてしまいそう」

フィオ「そんなところでデータ収集。あついぞー
これらは将来的に地図を作るために使われるらしいから頑張らないと」


フィーナ「未知を開いていくのは探索者の醍醐味だからね、後進のためにもなるし」


“お昼どきになると、潜水服は海流の緩やかな岩陰を探しだし、暑さをしのぎ複数人が滞在できる多重の空気膜を設置した。潜水服も和装の青年も膜の中に入って腰をかける。和装の青年は全身にかいた汗を手ぬぐいでふきつつふぅと息を吐いていた。彼は生身ゆえレッドバロンの炎熱の暑さにより消耗しているように見えた。紫髪の幽霊は氷の魔術を発動させて氷を作り、潜水服のうちわをとって青年をあおいでやる。一息ついたところでランチタイムとなった。一行はカジノ船で用意したおにぎりとおかずを広げて青年に食べてもらう。おかずは焼きウニに野菜と海藻の煮物である。炭水化物とタンパク質を中心に発汗によるミネラルの流出を抑える献立となっていた。異界の有様を眺めやる眼を持つものならば、こくりと紫髪の幽霊が和装の青年の食事風景を眺めてふふふと不敵に笑う様を見ることができただろう。成長する若者にご飯を食べさせるのは楽しいことなのであり、幽霊や神様にとってもそれは楽しい娯楽なのであった。”



フィオ「休憩時間当然ながら一番消耗の激しいさよさんをケアしつつお昼ご飯に。おかずは海がすぐ近くにあるからこうなるよね」

フィーナ「栄養分を気にかけているのが『らしい』
……この二人からすればこの食事がとても楽しいものであるよね、ともあれさよさんの胃袋は膨らむのだ」


フィオ「少しの休憩をはさんで調査の再開。
この調査を主導する『教授』はレッドバロンの遺跡が炎熱に対するなにかを持っているのか否かを調べているみたい」


フィーナ「今現在滅んでしまったにせよ、対応したけれど経年劣化で耐え切れなかったのか、対応できなくて滅んだのかは別の意味を持つことになるからね」

フィオ「こくりさんの観察だと。炎熱化によって滅んだんじゃないかなって見てるみたいだね、レッドバロンは昔はもっと温かったのかな」

フィーナ「まぁ全容はまだこれから……というところに、プロジェクトのメンバー。『ナトー』さんが登場」

フィオ「探索者達からデータを集めているけれど、意見があるのならどんどん言ってほしいって事だね」

フィーナ「多種多様な人材が集まっているから面白い意見は聞けそうではあるけれど、ここで適応できるのかは疑問だ」

フィオ「そんなこんなで調査も終わって、カジノ船にバック! 休憩と準備、でメシ!」

“シャワーの後は食堂で夕食とあいなった。潜水服は大盛りのご飯、おかずはタルタルソースのかかった魚のフライ、サラダ、肉団子、ヨーグルト、りんご、であった。ごはんは白米の他に様々な雑穀を用意してもらっている。特に和装の青年に対しては雑穀まじりのご飯をどんぶり大盛りによそい、アスリート並の分量を提供していた。1日海域を泳ぎつつ遺跡探索を行った人間の食事量が、日常のそれで終わるわけがないのである。潜水服と紫髪の幽霊はテーブルに並んで青年の食べっぷりを眺めつつ、ふふふと(少し邪悪な)笑みを浮かべていた。田舎のおばあちゃんが孫にやたらご飯を食べさせるのは、飢えることが悲惨なことであり、体づくりがとても大事だということを彼女達が知っているからであり、また、おばあちゃんたちが半ば霊体に近しく、神々と似た嗜好を持っているからに他ならないのだ。”



フィーナ「エネルギー摂取することは重要だからね、こくりさんも沢山食べているし(なおこちらのごはんはへらない)頑張るんだ、さよさん。おばあちゃんたちのためにも……」

フィオ「トレーニングより食事が辛いってこういう……」


フィーナ「こくりさんはデータ分析を進めて仮説を立てる。原生生物が海域へと対応していること。探索者が炎熱へと対応すること。
もし対応できるというのなら、亡びる原因としては弱かったのではないかと」


フィオ「船は海を進んでいく、新しい海もそのうち見えてくる。そこで新しい真実が明らかになったのなら、海全体の謎を解くカギが見えてくるのかもしれないね」


フィーナ「まとめ。地獄のようなレッドバロンをすすむこくりさん達。カジノ船の有効活用もできて、これ幸い」

フィオ「調査もまた探索者の本分。というわけで海域の調査もしているわけだけれど、さよさんが辛そうだ」

フィーナ「まぁ生身だからね。だからメシを食うのだ若者よ、メシメシメシメシ」

フィオ「海域の謎は推測するしかない現状。決定的な証拠がない以上は仕方のないことだけども」

フィーナ「メシメシメシメシメシ」

フィオ「わりあい真面目の背景があるご飯攻勢なので、さよさんは頑張るしかない。でも食べすぎも注意だ」


Pno1473:アイリさん

アイリさんチャレンジ。商売編



フィーナ「仕入れた商品。高値で売るか、安値で売るか」

フィオ「ギャンブルでは失敗したし、高値で売るギャンブル的な作戦よりも堅実に……あっ」

フィーナ「全然売れませんなぁ!
てことで怒り心頭だったけど、声に出してすこし発散。市場を見て回ってみることにしたようだけど」


フィオ「売るために知っておいたほうがいいことってのは結構多いよね、相場はもちろん、需要と供給、情勢、エトセトラ。
でもそれを勉強という形で学ぶのが難しいのなら、こうやって自分の感覚に落とし込んでいくのも大事なこと。
フィーナもそういうタイプだよね」


フィーナ「まぁ、私は昔ほど勉強嫌いじゃないけどね」
とりあえず先達の商売を見てなんとなくわかったようなアイリさん。今度は成功できるのかなー?」


Pno1488:ファルトさん

フィオ「海の藻屑。お魚一杯どこかでみたような?」

フィーナ「多分同じ個体だろうね、捕獲すれば食糧問題を解決できそう」

フィオ「アトランドは珍妙は生き物ばかりだよねぇ」

フィーナ「でも奥地に行くともっとヤバイのが居るかもしれないから、今のうちになれて……」

フィオ「先制して1ターンで転がすの本当にやめてください……」

フィーナ「二人で協力して突破していかないとね。アストさんが効果的に戦える方法ってあるのかなぁ」


Pno1659:リンスさん

“海、海、海、海――。
 見渡す限り、どこを見ても海ばかり。船影どころか地平線すら見えないという事実が、自分はもう万が一にも助かることはないという現実を容赦なく突きつけてくる。脱水症状による割れるような頭痛と、飢餓による著しい衰弱。耳元で冬場のすきま風のようなヒューヒューという音が聞こえてくるかと思えば、それは自分の呼吸の音だと気づく。息を吐き出すたびに命が抜け落ちていき、すでに感覚のない両手が別の生き物のように震えている。
 すぐに海神に我が身を捧げていれば、こんなに苦しまなくて済んだのに。
 はじめはそのつもりだった。凶作に苦しむ村のために、今まで見たこともないような綺麗な供物と一緒にみんなに見送られた。そして、海へ出て半刻ほど経ったあたりで一人でいることが心細くなって、
 そろそろ死のう、と思った。
 船には色鮮やかな果実や織物といった供物の他に『解放石』と呼ばれるものが用意されている。大層な呼び名だが、ようするにでかくて重いただの石である。なぜこんなものが燦爛たる捧げ物の中に混じっているのかと言えば、神様のもとへ行くためである。
 もっとわかりやすく言えば、船を沈めるための石である。
 仕組みは単純だ。あらかじめ船底の一部を脆くしておき、子供の力でもなんとか持ち上げられる解放石をそこに落とすだけ。一回では無理でも何度かやれば床は壊れるので、そうなればあとは船を浸す海水を眺めるだけでいい。畑の手伝いよりも簡単だ。
 実際それをやった。だけど、なぜか船は壊れてくれなかった。脆くするのを忘れたのか、それとも落とす位置が間違っていたのか、落とす高さが足りてなかったのかはよくわからない。何度も何度も、何度も何度も何度も解放石を落としても自由になれなくて、そのうちに腕が痛くなってきて、ずっとなにも食べていなかったからお腹がすいてきて、目の前には美味しそうな食べ物があって、
 死ぬのが怖くて――、
 そして、正気に戻ったときには捧げ物は胃の中だった。めちゃくちゃに焦った。早く海の底に行って神様にごめんなさいと謝らないといけないと思った。だけど、どうしてもあの重い石を持つ気にはなれくて、次の日も、そのまた次の日も、広い広い海を見続けた。
 最後に残ったのは、腐りきった食料と、なんの意味も持たないただ綺麗なだけの服飾品と、捨てられた子供だけ。
 海神の罰だと嘆いたこともあったが、今はそれすら思わない。
 霞む視界に映る青い海。こんなにも広いのに、こんなにも孤独な遥かな海。
 あたまがいたくて、おなかがすいて、つらくて、くるしくて――
 虚空へ手を伸ばして、ただひとつを願う。
 ――だれか、たすけて。”



フィオ「それはもう随分と昔の、記憶」

フィーナ「……前にこの話が出たとき、ここまで詳細には語られていなかったんだけど、『どんなこと』が起きたのかって事はなんとなく想像してた。でもやっぱり実際にそれを体験した人が語ると……だね」

フィオ「幸いなのは、『この後』がまだまだ続いていて、それもこの記憶の中よりずっといいだろうってことかな。
さぁ、起きる時間だよドラジェさん」



フィーナ「少女になる前の夢も、なった後の夢も見るのかな、ただその境界で何があったのかだけがどうしても思い出せないみたいだけど」

フィオ「この身体では体験したことが無いはずなんだけど、強烈なものだったからなのか、感覚があるような。魂の傷、ね」

フィーナ「私は(能力から)良くわかる感覚だけど、ドラジェさんも境界で何があったのかわからないからなぁ
強烈な記憶。でも身体は違うっていうのは珍しいパターンだろうし」


フィオ「思い出すのはその後の記憶。拾われて、拾ってもらって、救いだされた後の」

フィーナ「な、ないてないし」

フィオ「とそこにユニさん登場。リンスさんも一緒」

フィーナ「ちゃんと作法を守って入ってきたわけで、驚かせようとしたわけじゃない」

フィオ「そのまますこし言い争いが始まる二人、でもやっぱり」

フィーナ「件の勝負から雰囲気変わったよね」

フィオ「以前ならジャンケンは考えられなかった……とまではいわないけど、いや。よかったよかった」

フィーナ「リンスさん、ジャンケンなんだから2回連続ぐらいはよくある。だからそうやって心の傷をえぐるのはやめよう、ヤメテ……」

フィオ「少なくとも、以前の所業でもう公然の秘密『だった』わけだし、フィーナは別に偽者じゃないからいいじゃない、ただノームネーなだけで」

フィーナ「後裏」

フィオ「……朝ごはんにはお味噌汁だよね、オムライスともきっちりあわせる和の魅力」

フィーナ「かつての記憶が時に胸をえぐっても、今この時はそう簡単に侵せるものじゃない」


フィオ「まとめ。ドラジェさんが見る夢はかつての、悲惨な一時」

フィーナ「あまりにも辛いその渦中から抜け出せたのは幸運だったとおもう。その後の生活で色んな価値観も変わってきたのだろうし」

フィオ「こういう風習が残るところで育てられてとなると、やっぱり考え方も想像しにくいところがあったりするよね」

フィーナ「お目覚めしても引きずる後味の悪さ。そこにやってきたのは元気な二人」

フィオ「ユニさんとリンスさん、勝負からやっぱり二人の雰囲気変わったよね。あの後のこともあったのかもしれないけれど」

フィーナ「衝突はしたけれど、ちゃんとぶつかり合ったのが良かったのかもしれないね。これからも小競り合いはあるだろうけれど、なんというか安心かな」


Pno1858:トリスさん

フィオ「四日目。にしてなんだけど、トリスさんの日誌って三段階に分かれていて
一段階目……はちょっとあとで

二段階目が、何らかの契約をかされた男の人? の話でトリスさんとも関わってる、今回も弟さんのところにも行っているみたい

三段階目がテリメインにいるトリスさんのお話で、探索をしつつ回顧したり、二段階目の人を示すような話も出てきてる。

で一段階目なんだけれど、その契約が行われる前後? みたいな感じなのかなって」


フィーナ「言葉の端々から推測するしかないけれどそのうち明らかになってくるんだろうね」

フィオ「ちなみに勝手な予想だけれど、『名前』が重要なんだろうなと、トリスさんて本当にトリスさん?」

フィーナ「あたるかなぁ」


フィオ「本編。ためらいつつも尋ねた魔術師の住居。招かれてもやっぱりなんか嫌な感じがのこる」

フィーナ「こういうことになっているのもその所為だからねぇ、とはいえ進むしかないのも事実」

フィオ「お金持ちの雰囲気……あいつっていうのは多分トリスさんのことかな、そういえば莫大な借金がって話だったような」

フィーナ「尋ねた理由はどうやら『契約』をどうにかしたいけれど、その道はその道の人ということで、尋ねていったみたいだね」

フィオ「割と辛辣な意見を心の中で思っていたり、ポロリと口に出したり。趣味……はまぁ人それぞれだよ」

フィーナ「職業柄だっていってるデショ」

フィオ「所作の向こうに見えるのは……やっぱり血縁だからかな」

フィーナ「どうすればいいのか。と尋ねて返ってきた答えは、兄が迷惑をかけたとの事で……」


フィオ「テリメインへ。割と満喫している感じのトリスさん」

フィーナ「探索もごはんも楽しまないとね」

フィオ「まぁ最終的に目的をたっしさえすれば、ね」

フィーナ「それでスキルストーンについてやっぱりすごいなと」

フィオ「大体の人がこの感想を持つよね、そしてそれもわからなくないぐらいにすごいものなんだけれど」

フィーナ「『弟』さんは興味を持ちそうで、でも来ることはなさそうで、魔術師で……」

フィオ「これだけそろっていれば、二段階目で出た人が、弟さんなのだろうけれど。
トリスさんの借金と二段階目の人の契約の関係がきになるところだよね」


“兄弟たちには兄弟たちのやるべき事があって、それはテリメインにはないのだから。


辺りを見回せば、探索者たちの姿がうかがえる。

多様な人間、多様な目的。


全てを包むほど海は広いが、それでもここは、彼らのあるべき場所ではない。”




フィーナ「人は人の居場所がある、それぞれの登場人物、はたしてやるべき事というのはなんなんだろうね」


Pno1870:エンマさん

フィオ「協会を訪れたエンマさん……メイド!」

フィーナ「彼女はメイドだったか、テリメインへようこそ!」

フィオ「歓迎しよう。盛大にな!」

フィーナ「てなわけで、場面は試験の手前なのだけれど、エンマさんは、なんかものすごく胡散臭いものを見るような表情」

フィオ「普通の場所に居た人みたいだからね、いきなり世界が変わってしまったということで混乱……するのも」

フィーナ「いやちょっと違うみたい?」

“しかし受付嬢の話を一通り聞いてみれば、メイドの頭にも一つの推論が浮かびあがってくる。
 

 メイドは思った。
 ……これはおそらく、所謂ドッキリ企画というやつだろう、と。


 メイドは物事を自分に都合よく解釈する事が得意だった。得意というよりは、もはや染み付いた習性であり、或いは悪癖なのかもしれないが。
 何にせよ、頭に過ぎったいくつかの可能性の内から、最悪のものについて最初から真剣に検討する事ができる程、メイドの器は大きくは無かった。

 メイドは狂人を見る目つきを人魚に向けるのを止め、指示されるままに手早く探索者としての登録手続きを行い始める。状況が把握できてしまえば、自分が取るべき行動もわかるのだ。”




フィオ「残念、逆ドッキリ(現実)です!」

フィーナ「とはいえ勘違いしたまま状況は進んでいって。……久しぶりだなシュナイダー氏」

フィオ「シュナイダー氏、着ぐるみ説。その筋肉は偽物だったんですか、幻滅しました」

“ もはやメイドの頭に警戒という概念はなく、あるのはいかに華々しくこの『殺陣』を演出し、その出来栄えをネタにボスに昇給をねだるか、という願望一色の未来予測のみ。
 相貌は嫌らしく崩れ、下卑たニヤつきの端から鋭い八重歯が覗く。小顔に乗ったセルフレームの眼鏡の奥からは、野心的な瞳が輝きを見せていた。
 メイドはその小柄な体躯の数十倍は大きな態度で、不遜と侮りを丸出しにして水中へと入っていった。


「よぉ〜し!このエンマちゃん様の華々しい活躍、よく記録しておくといい!」
「その豚面が、驚きすぎでそれ以上に悪趣味になっちまわないように気をつけておくんだなァ!」

 メイドに派手に演出しようという思惑はあったが、別に下衆になろうという意図を持った訳ではない。
本人は本人なりに格好つけた言動のつもりで、ほぼ素を出したに過ぎない。

 そのメイドは、フリルを纏ったチンピラで、根っからの三下だった。”



フィーナ「やだ……このメイド。チンピラ……」

フィオ「とても可愛い。ゲス可愛い」

フィーナ「この後の展開がわかりきっているあたりがその……あれだ」

フィオ「大丈夫大丈夫、ちょっと痛い思いをするのと。自然に沈んでいくシュナイダー氏の勇姿を見てメンタルに疵をおうかもしれないけど……」


posted by エルグ at 11:11| Comment(0) | 日記